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128号 過去のセンターニュース | 資料集 | 大分県産業科学技術センター

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大分県産業科学技術センターニュース

大分県産業科学技術センターニュース

N o . 1 2 8 2 0 0 4 . 4 / C O N T E N T S

発行:平成 16 年 3 月 19 日 大分県産業科学技術センター 技術支援部 〒 870-1117 大分県大分市高江西 1-4361-10 TEL.097-596-7101

成果紹介 水晶振動式エタノールセンサの研究・・・1

成果紹介 光拡散薄膜の作製について・・・・・・・3

ニュース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

平成15年度(後期)研究発表会の開催/幼稚園・保育園用 家具の実用化/産学官交流大会の開催

事業報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

第4回半導体BC研究会の開催/第3回コンソーシアム推 進委員会の開催/第3回大分県ものづくり・IT融合化推進 研究会の開催/技術研修・講習会の開催/ベンチャー企 業試作支援モデル事業を活用した面塗り材の試作開発 /イタリア家具産業の支援企業CATAS訪問/特許電子 図書館(IPDL)活用セミナーの開催

成果紹介

1. はじめに

 エタノール(エチルアルコール、通称アルコール)には、優 れた殺菌作用があります。雑菌による腐敗を防ぐために味 噌・醤油等の発酵食品には微量のエタノールが添加されて います。優れた殺菌作用を最大限に有効利用するためには、 エタノール濃度が適量の範囲内であるようにエタノール 濃度を管理する必要があります。

 当センターでは、水晶振動子を利用したエタノールセン サの研究開発を進めています。「水晶振動子」は高精度で一 定の振動数で振動する電子デバイスです。「時計のクォー ツやコンピュータのクロック」と聞けばピンとくる方も多 いのではないでしょうか。水晶振動子は通常、一定の振動 数で(物理的にも電気的にも)振動しているのですが、表面 にガス分子が吸着するとその物質量に比例して振動数が 低下する性質があります。1ヘルツの振動数変化はおよそ 1ナノグラムの物質量に相当します。この性質を利用した 水晶振動子による化学センサは、においセンサや免疫セン サ等の分野で活発に研究されています。

 ニーズ調査の結果、本研究のエタノールセンサのターゲ ットとして醤油を想定しました。醤油は、雑菌による腐敗 防止のために、数パーセントのエタノール添加が必要です。 JAS(日本農林規格)による規制もあります。出荷される 醤油のエタノール濃度については厳しい品質管理が必要 です。

写真 1. 試作したエタノールセンサシステム

18gluTAB 18GPA 卵黄レシチン ノナン酸コレステリル ステアリン酸 エルバロイ742 塩化セチルピリジニウム ポリスチレン オレイン酸

センサ膜

エタノール/水選択性

0 50 100 150

図2. 各センサ膜のエタノール/水選択性 図1. センサシステムの構成

水晶振動式エタノールセンサの研究

生産技術部 江田善昭(edayosi@oita-ri.go.jp)

周波数カウンタ オシロスコープ

水晶振動子

(2)

2. エタノール選択性

 本研究では、「エタノールセンサ」の最も重要なファクタ ーは「エタノール/水選択性」(水の感度に対するエタノー ルの感度の比)であると考え、いろいろな材料のセンサ膜 を作製して実験しました。

 本研究で使用したセンサシステムの構成を図 1 に示し ます。また、センサシステムを使用して、エタノール水溶液 を測定したときの応答(振動数変化)例を図 2 および図 3 に示します。

 図 2 が示すとおり、オレイン酸(不飽和脂肪酸の一種) が最も高いエタノール/水選択性を示しました。この結果 より、エタノールセンサのセンサ膜としてオレイン酸を採 用しました。

 また、図 3 が示すとおり、エタノール濃度が高くなるの に従って、センサの応答も大きくなりました。

3. 簡易センサシステムの試作

 現場で計測できるように、ハンディタイプのエタノール センサシステムを試作しました。(写真 1 参照)このセンサ システムでは振動数変化をエタノール濃度に換算して表 示します。

4. 課題

エタノール濃度の計測実験の中で、以下のような現象が起 きることがわかりました。

(1)センサ膜を作製して日が経つにつれて、水に対する感 度が上昇する。つまり、エタノール/水選択性が低下 する。(図 4)

(2)センサ膜を作製して日が経つにつれて、振動数が上昇 する。(図 5)

(3)同じ条件で同じ試料を複数回連続測定すると、回を重 ねるにつれてセンサ応答が大きくなっていく。(図 6)

上の3つの課題は原因が不明で現在その解決法について 検討中です。センサ膜物質であるオレイン酸が室温で液体 であるため、時間経過に従って重力によりセンサ膜の膜厚 が薄くなった可能性があります。すなわち、センサ膜を化 学修飾により固体化すれば上記の課題を解決出来ると考 えています。

5.まとめ

 本研究において、オレイン酸膜被覆水晶振動子のエタノ ールセンサとしての可能性を示しました。選択性の高いセ ンサを作ることが出来ました。優れた性質の反面、課題(1) ∼(3)の現象が実用化の前に立ちはだかっています。現在、 これらの課題を解決すべく、センサ膜であるオレイン酸(液 体)を固体化することを検討中です。

成果紹介

5993000 5993500 5994000 5994500 5995000 5995500

0 20 40 60 80 100 120 140 160

時間(分)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

OFF

0 10 20 30 40 50 60

0 10 20 30 40 50 60

センサ膜作成後の日数

8,974,000 8,975,000 8,976,000 8,977,000 8,978,000

0 30 60 90 120

センサ膜作成後の日数

55 60 65 70

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

測定回数

図3. 水晶振動式センサの応答の一例

図4. エタノール/水選択性の経時変化 下向きの矢印はエタノール水溶液から発する蒸気雰 囲気中にセンサ素子を浸した時、上向きの矢印はセ ンサ素子を空気中に戻した時を示す。

図5. 振動数の経時変化

図6. 同一試料の連続測定結果

振動数 (

Hz

エタノール/水選択性

振動数 (

Hz

センサ応答(Hz

(3)

1. はじめに

 光拡散を利用した製品は、車のライトなどで明るく光る 道路標識などの反射板やガラスビーズ、雲母をコーティン グした液晶プロジェクター用のスクリーン、液晶ディスプ レイバックライト用の拡散板や大判カメラのピント合わ せ用スクリーンなど広く利用されています。

 今回の取り組みは、これらの中で、万能投影機など精密 な計測を行う機器に使用される光拡散ガラスについて薄 膜を利用した作製を試みました。

 一般に、光拡散ガラスは、砂ずりによりガラスをスリ板 にしたもの、さらにスリ板を酸により処理したもの、図 1 に示すようにガラス面に乳白色フィルムを貼り付けたも のなどが市販されています。

2.1 成膜方法について

 当センターでは、この光拡散層をスパッタ法により成膜 する方法について検討しました。スパッタ法は、放電のエ ネルギーによりイオン化された気体の原子・分子を、作製 したい材質のターゲットへ衝突させ、ターゲットの金属粒 子をはじき出すことにより対向して配置されたガラス基 板上へ薄膜を形成します。( 図 2 参照 )

 ここで、ターゲットにはアルミを用い、導入ガスは、アル ゴンおよび酸素とし、アルミ酸化物を形成する反応性スパ ッタの条件としました。なお、カソードへの電力供給は 400V 前後の DC(直流)としました。ガラス基板には、光 学研磨したパイレックスガラスを用いました。

2.2 スパッタ条件について

 光の拡散層を形成するためには、スパッタ法により、は じき出される物質が粒子状にガラス基板上に堆積形成さ れなければなりません。このため、スパッタ条件として、通 常の放電領域では鏡面に近い膜ができるため、図 3 で示 すように、一分間あたり 60 回前後の間欠的にフラッシュ 状に異常放電を生じる、通常では使用しない放電条件を用 いました。

3.1 成膜条件と透過率特性

 成膜した試料の外観を図 4 に示します。

 分光透過率は、可視光域において、ほぼフラットである ことを確認しました。

 アルミターゲットのみで成膜を行った場合には、最小透 過率は、25% までの特性の膜しか得られませんでしたが、 酸化シリコンターゲットによる RF( 高周波 ) でのスパッ タを併用することにより、最小の透過率 4% までの膜が作 製可能であることが判りました。これは、シリコン酸化膜 が基板から再放出されるアルミ粒子のバインダーの役割 をしているのではないかと考えています。

 しかし、単位時間あたりのフラッシュ状放電の間欠回数 設定及び、カソードへの DC 印加電圧・電流値の設定は、タ ーゲットの状態により絶えず変化するため放電が不安定 となり、透過率の値にバラツキを生じました。

光拡散薄膜の作製について

生産技術部 秋本恭喜(akimoto@oita-ri.go.jp)

図4. 成膜試料外観 図3. フラッシュ状放電状態

光拡散層

(乳白色フィルムなど)

ガラス

図1. 光拡散ガラス

ガラス基板

はじき出された アルミ粒子

アルミターゲット ( 酸化シリコンターゲット )

(4)

成果紹介

3.2 表面形状の観察

 成膜試料の表面形状は、走査型プローブ顕微鏡を用いて、 ノンコンタクト AFM モードにて観察しました。

 成膜試料の表面形状観察の一例を図 5 に示します。1 目盛り 2 μ m で 10 μ m × 10 μ m の観察領域で、数 10nm ∼数μ m の範囲で粒子状の物質が堆積しているこ とが確認できました。また、表面プロファイラーによる計 測では、粒子突起部を除くベース部分の膜厚は約 200nm でした。

4. 計測機器への適用

 ここでは、スクリーンへ投影して形状の精密な計測を行 う機器への適用の可能性について検討しました。  半導体の分野において、IC 特にリードフレームの形状 計測などは、多ピン化に伴う狭ピッチ化等により微細構造 となっているため、スクリーン投影像(シルエット)は、リ ードと空間とのコントラスト比が得られなくなっています。  しかし、計測の精度や信頼性を高めるためには、シルエ ットをシャープにする必要があります。

 この種の機器では、シルエットを対象物の反対側(透過 光として)から観察することが多いため、光の拡散層が厚 いとシルエットはシャープさに欠けることとなります。逆 に拡散層が薄いと IC の実像が透過し、計測を妨げてしま います。

 試験機でのテスト画像の一例を図 6 に示します。 この成膜試料によるテストで以下のことが判りました。  ・シルエット画像に少しざらついた感じがあること  ・巨大な粒子(数 10 μ m 径)が数点存在すること  これらについては、アルミの粒子径が不揃いとなってい ることが考えられ、フラッシュ状放電条件を制御しきれて

いないことが原因であり、電流制限、電圧他の最適条件探 索が課題となっています。

 ・透過率がやや高すぎること

 実像が透過しない透過率は、5% 以下であることが判 りました。

 少々課題はありますが、改善できれば、適用の可能性が あります。

5. むすび

 以上、スパッタ法による粒子状堆積手法について検討を 行いました。スパッタ装置を用い、アルミの反応性 DC ス パッタの成膜実験により、粒子状の成膜が可能であること を確認しました。

 今回、光の拡散性については評価できていません。アル ミの粒子そのものには、透過性がなく粒子表面での反射が 支配的であると考えられるため拡散性については、あまり 期待できません。このため、高屈折率をもつ酸化チタンな ど透過性のある材料での成膜について検討が必要である と考えています。

 また、放電状態の不安定性の解消を図るとともに拡散性 について評価を行い、透過率・反射率、膜厚の制御性を高め るため、粒子径・粒子分布の制御に着目した成膜条件・ター ゲット材等の検討を進め、よりシャープでコントラスト比 を制御できる性能のものを目指していきます。

図5. 成膜試料の表面形状観察例

(5)

技術分野において研究開発を実施しています。これらの成 果の発表会を実施しました。

 これまでの発表会では、全体会形式で行い、発表も限ら れていました。そこで今回は、参加者により興味を持って いただけるよう、さらには研究員全員がどのような研究開 発に取り組んでいるのかを明らかにするため、技術分野別 に情報産業分科会、生産技術分科会、材料科学分科会の3 分科会形式としました。発表は48テーマ(大分40テーマ、 日田8テーマ)になりました。

 発表方法に工夫し、研究成果をプロジェクター等で表示 しつつ行う口頭発表や研究成果をパネルにまとめて担当 者が個別に質疑にお答えするポスターセッション形式を 取り入れ、試作品等も交えた分かり易いものにいたしまし た。

(技術支援部 坂下仁志 sakasita@oita-ri.go.jp)

素材生産量の約23%にあたる約13万m3は有効に活用 されていないことが想定できます。これら未利用スギ部材 の湾曲材や短材の有効活用を目的に、林業試験場、竹工芸・ 訓練支援センターと共同で幼稚園・保育園用家具の開発を 行いました。

 幼稚園・保育園は多様な保育形態や活動に対応するため、 テーブル・いすは積み重ねて収納でき、持ち運びが容易に できるよう軽量化に配慮した設計としました。また、使い やすさと共に安定性や強度が必要であるため、学校用家具 −教室用机・いす JIS S 1021の寸法規定を参考に設計 し、性能についても安定性や強度に関する18項目の試験 を行いました。

 開発したテーブル2種・いす4種は意匠出願し、日田市 内の家具製造企業に対して実施許諾を行い、日田市立保育 所にテーブル57台、いす220脚が導入されました。

(日田産業工芸試験所 兵頭敬一郎 hyoudo@oita-ri.go.jp)

産学官交流大会の開催

 当センターにおいて、2月26日に産学官交流大会が開 催されました。産学官より173名の参加がありました。  第一部では、「左肩あがり時代の産学官連携」と題して、 早稲田大学 友成真一氏の基調講演、第二部では、産学官共 同研究グループによる成果紹介や当センターが実施して います18の研究テーマについての紹介などパネル展示・ 説明を介した意見交換を行いました。産学官共同研究グル ープによる事業化や新たな産学官共同研究の取り組みな どが期待されます。

 また、第三部では、「木くずの破砕処理後のチップの有効 利用」や「コンクリート型枠連結用高機能金属部品の開発」 など4題の産学官交流・共同研究活動事例発表が行われま した。

 センターでは、このような産学官の連携を軸として、大 学等と協力して県内企業の技術支援機関「あなたの会社の 研究室」を目指して、技術相談や研究開発に取り組んでい きます。

(企画管理部 佐藤哲哉 satotetu@oita-ri.go.jp) ○産業科学技術センター発表会

平成16年2月17日(火)13:15∼ 参加者数:51名

(6)

第4回半導体BC研究会の開催

 大分県半導体関連企業ビジネスチャンス研究会では、1 月28日ソフトパークにおいて、第4回研究会を30名の参 加者を得て開催しました。

 研究会では、「TIの半導体戦略と日出工場」と題して日本 テキサス・インスツルメンツ(株)日出工場 人事グループ長 五十嵐静雄氏を講師に迎えて講演が行われ、「環境変化を 先取りした戦略、インターネット時代の主役はDSPとア ナログ」など説明がありました。また、日出工場について、「半 導体前処理工程では、BiCMOSの高度プロセス技術を有し、 アナログ製品(PCのハードディスクプリアンプ、サーボ、 プラズマディスプレイ・ドライバー等)の製造プロセス開発・ 製造を行い、半導体パッケージ開発では、ワイヤレスやハ イパフォーマンス・アナログ製品向けのパッケージの開発・ 量産立上げを行っている。2003年12月には、ゼロエミッ ション達成、ベンチマーク工場になるなど世界各地から評 価され、存在価値を見出している。」との紹介がありました。  研究会後、第3回共同研究創出分科会・交流会を併せて 行いました。分科会では、(株)石井工作研究所「新規事業へ の取り組み」、大分谷口科学(株)「EUの規制と分析装置、 鉛フリーはんだの動向と評価装置」について、それぞれ話 題提供していただきました。

(生産技術部 秋本恭喜 akimoto@oita-ri.go.jp)

第3回コンソーシアム推進委員会の開催

 以前のセンターニュースでお知らせした地域新生コン ソーシアム研究開発事業(テーマ名:磨きレス加工が可能 な金型用CCM加工システム開発に関する研究)の第3回 推進委員会が、去る1月30日に大分市の(財)大分県産業 創造機構にて開催されました。

 今年度最後の委員会となる本会では、各要素技術につい ての研究開発の成果と、そのシステム化による金型用 CCM加工システム試作開発の進捗状況について話合いが 行われました。冒頭、九州経済産業部技術企画課山崎隆生 課長から「地域活性化のため、産学官連携による本研究開 発の成果を期待している。」との挨拶がありました。会議で

は、まずプロジェクトリーダから今年度の研究成果の概要 についての説明が行われ、コンソーシアム参加各機関メン バーを中心に議論が行われました。その結果、システムの 機能評価を除いてはほぼ順調に研究開発が進んでいるが、 残された課題については年度末まで可能な限りデータ収 集を図っていく必要があるとの結論になりました。  当センターは、切削加工での工具負荷を制御できる CAMなどの要素技術開発や、参加金型メーカーや大学と の共同によるモデル金型試作とシステム機能評価につい て研究を行っています。また会議には外部アドバイザーと して東京工科大学教授福井雅彦氏が参加されましたが、「金 型の切削加工では、加工条件や工具パスの与え方により結 果に大きな差が出る場合があるので、システムの機能評価 に際してはよく注意することが望ましい。」とのアドバイ スがありました。

(生産技術部 大塚裕俊 ootuka@oita-ri.go.jp)

第3回大分県ものづくり・IT融合化推進

研究会の開催

 平成15年度第3回大分県ものづくり・IT融合化推進研 究会を1月23日に開催いたしました。

 「中小企業にみるアジア事情∼金型設計・製造の現場か ら∼」と題し、県内で早くからものづくり事業をアジア展 開されている(株)大川金型設計事務所 大川貞雄取締役会 長を講師に迎え、アジア諸国のものづくり産業の実態や自 社のアジアにおける事業展開状況、国内中小企業がアジア の企業と接する際の心得などについて、ご講演いただきま した。また、「CAD/CAM/CAEの活用及び問題点」と題し た意見交換では「CAE のための CAD 技術」をテーマに CAEによるシミュレーション評価に適したモデリング法 (2D・3DCAD技術)について作図用モデルとCAE用モデ ルの作成相違点や CAE モデル作成ノウハウ、さらには、 CAEを用いた開発・設計の有効性について活発な討議が 繰り広げられました。

(7)

○商品開発及び販路開拓研修会

 東京で販路開拓や大手メーカーの商品企画を手がけて いる(株)クリエイティブアシストより代表取締役の吉田 毅氏を招へいして、11月21日に「地方型の商品開発と市 場導入プランニング」をテーマとした研修を実施しました。  研修会には、中小製造業の方をはじめ、商工会の経営指 導員や市町村役場の商工担当の方々が多数参加されました。  商品開発のポイントは、買う側に立った考え方を継続し て持つ事であり、地方の企業は、既存技術や原材料ありき で開発に突き進んで行く傾向があると話されました。特に、 地方からでも有効なインターネットを活用した消費動向 の把握や販売戦略が重要になるとの事でした。

 当センターでは、商品の開発工程や販路開拓に関する事 業を行っておりますので、お問い合わせ下さい。

(情報産業部 吉岡誠司 yosioka@oita-ri.go.jp)

○非接触測定技術の研修

 1月30日(金)に、(株)ニコンから講師を招き、画像測定 機の最新技術と光学機器のメンテナンス法というテーマ で研修会を実施しました。座学では、測定時間を短縮する ための制御技術等が紹介され、実習では、BGAのハンダ ボール形状を測定するデモが行われました。予定にはあり ませんでしたが、最後は参加者の希望で、当センター内の 見学を実施しました。

 研修会修了後のアンケート結果を見ても、ほぼ有意義な 研修だったようです。私たちは、皆様のお役に立てるセン ターを目指し、日々努力を重ねております。今後開催を望 む研修内容がございましたら、どしどし、ご要望をお寄せ ください。皆様方の忌憚のないご意見をお待ちしておりま す。

(生産技術部 重光和夫 shigemitu@oita-ri.go.jp)

○企業に必要な情報セキュリティ研修会

 パソコンやインターネットの普及により、多くの企業が LANなどの社内情報システムを導入しています。重要な業 務データを扱う機会も増え、セキュリティ対策の重要性が 高まっています。特に、インターネットへの接続による外 部からの侵入や、ウイルスの感染による被害が増加してい ます。そこで、2月6日に表題の研修を実施しました。ご多 忙の中、16社18名の方々にご参加いただき、関心の高さ を感じました。

 脅威となる不正アクセスの実態を詳細に説明ました。社 内外からの不正アクセスの手法については具体的に知ら れていないことが多く、熱心に聴いていただけました。また、 最近の対策技術の動向を簡単なデモ操作を含めてご紹介 しました。ISMSやISOなど、情報セキュリティの関連制 度を解説し、自社内の状態も実習形式でチェックしていた だきました。今回は総論的な対策が主な内容でした。今後は、 システム面や運用面など、部署や担当に応じたセキュリテ ィ技術の研修を検討していく予定です。

(情報産業部 幸嘉平太 ka-yuki@oita-ri.go.jp)

○SPICEシミュレータによる回路解析講習会

 3月3日、4日、11日、12日にSPICEシミュレータに よるアナログ回路解析の基礎や高速デジタル信号への活 用技術の習得を目的とした講習会を実施しました。  講習会では、インターネット等で入手可能なSPICEシ ミュレータを用い、利用するために必要な知識、効果的な 活用技術について、『基礎』と『活用技術』の2講座を実施し ました。『基礎』では、SPICEの基本操作、基本的な記述方法、 DC解析、AC解析、過渡解析、モンテカルロ解析などを中 心に解説しました。『活用技術』では、プリント基板上の配 線について、SPICEでの伝送回路、分布定数回路のモデリ ングを説明し、高速デジタル信号解析について演習を行い ました。

 当センターには、講習で使用した実習環境があります。 基本的なアナログ回路の作成、動作解析などが実施できま すので、ぜひ、ご利用ください。また、SPICEシミュレータ に関する相談等がありましたら、ご連絡ください。

(8)

No.128 2004.4No.128 2004.4

大 分 県 産 業 科 学 技 術 セ ン タ ー ニ ュ ー ス

ベンチャー企業試作支援モデル事業を

活用した面塗り材の試作開発

 大分県は、日本で第2位の杉生産県です。杉は建築部材 や家具部材等に使われていますが、柱や板の良材を生産す るために、間伐材、小径材、根曲がり材、そして鋸屑、樹皮等 が廃材として大量に排出されます。

 当試作開発では、このような廃材を100%有効に使う ために細片化し、5種類のサイズに篩で分類しました。分 類した木片は、天井や床、壁の面塗り素材として活用する ことを目標としました。

 試作品の製作には、当センターのベンチャー企業試作支 援モデル事業を活用し、日田市在住のOB技術者にお願い して、面塗り用ベースの製作、そして、篭手や吹付けによる 試作品の製作を行いました。試作品は5品種25点です。  試作開発は、日田産工試や日田市内の企業などと共同で 実施しています。試作品は、発表会や報道を通じて関連諸 団体に紹介しました。試作品の評価は高く、新しい面塗り 材としての用途を開くことが可能となりました。  ベンチャー企業試作支援モデル事業は、特殊な技能を必 要とする試作などに活用することができます。詳細は、技 術支援部までお問い合わせください。

(日田産業工芸試験所 石井信義 isii@oita-ri.go.jp)

イタリア家具産業の支援企業CATAS訪問

 日田家具産業とイタリア家具産業との交流を目的とす る交流ミッション派遣事業に参加し、平成16年2月4日 から8日の間、イタリアのポルデノーネを中心とした木材、 家具関連企業等を視察しました。その中からCATAS(カ タス)について報告します。

 CATASは、木材、家具関連企業等の技術支援を専門と する株式会社です。ウッディーネ県の商工会が1/2以上を 出資しています。わずか 30 名の職員で 2003 年度には、 20,000件以上の化学分析や製品・原材料テストなどの依

頼試験をこなしています。自動化により試験や検査の効率 化を図り、さらに依頼試験の受け入れを検討中とのことで した。また、450ユーロを支払うことで検査料金が半額と なる年間契約システムを導入しており、現在約1000社の 企業が利用しています。

 CATASでの試験は、国内、国際規格に準拠し、また、多 くの国と相互認証協定を締結しているため、これが輸出型 のイタリア家具産業の強みのひとつであると痛感しました。 平成16年3月には、CATAS代表などの交流ミッション を受け入れる予定です。今後、産地間交流が更に進展する ことを期待します。

(センター長 古室昌徳 komuro@oita-ri.go.jp)

特許電子図書館(IPDL)活用セミナーの開催

 大分県知的所有権センターは1月30日、大分第一ホテ ル九重の間において、鎌田正道IPDL検索指導アドバイザ ーを講師として「特許電子図書館活用セミナー(逆まわり で考える特許検索)」を開催しました。参加者数は21名で、 特許マップ作成を目的として、IPDLへのアクセスから、 テキスト検索、Fターム・FI検索の手法など特許電子図書 館の活用技術・検索技術について講演しました。

(技術支援部 水江宏 h-mizue@oita-ri.go.jp)

参照

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